
窓辺から夜空を見上げると、真っ白な光を放つ満月が、静かに世界を照らしているのがわかります。
その光は、ただ美しいだけではありません。私たちの心の奥底を呼び覚まし、忘れていた熱や純粋な好奇心を思い出させてくれる――まるで魂に語りかけてくるような力を持っています。
10月7日の満月は牡羊座で起こります。
太陽は天秤座、月は牡羊座。
そして今回の満月は、第3ハウスと第9ハウスという「知性と学び」の領域で輝きます。
第9ハウスにある太陽は、哲学や理想、まだ見ぬ世界へ向かう衝動を呼び起こします。遠い未来を描き、「いつか自分も成長して、もっと高い場所にたどり着きたい」と思わせてくれる光です。
一方で、第3ハウスに満ちる月は、もっと身近なテーマを示しています。毎日の言葉、日常の小さな学び、何気ない会話や身近な人とのやりとり。
つまりこの満月は、こう語りかけているのです。
「遠い夢を叶えるために必要なのは、あなたのすぐそばにある、小さな興味や日常の積み重ねなのだ」と。
走り続ける衝動と、その危うさ
今回の満月は、ホロスコープの中でグランドクロスを形成しています。
これは、まるで運命に急き立てられるかのように次々と課題や挑戦が現れる配置です。
「もう少し休みたい」と思っても、新しい出来事があなたを待っている。
ひとつの課題を乗り越えたと思ったら、次の挑戦がすぐにやってくる。
そして気づけば、あなたは立ち止まることもなく走り続けている――そんな状況に追い込まれるかもしれません。
このエネルギーは確かに大きな推進力を与えます。けれど、無限に走り続けることはできません。
だからこそ、この満月は私たちに問いかけています。
「あなたが本当に求める挑戦は、どれなのか?」
すべてを追う必要はありません。
衝動に流されるのではなく、心の奥から「これはやりたい」と震えるものを選び取りましょう。
その選択こそが、あなたの未来をつくる力になるのです。
言葉が人を動かすとき
この日、水星は蠍座に入り、冥王星と緊張のスクエアを形成します。
さらに海王星や天王星とのヨッドが、私たちのコミュニケーションに鋭さと複雑さを与えています。
それは、言葉がナイフのように鋭くなる瞬間。
誰かのひとことに心がざわついたり、自分の口から強い言葉が飛び出したり――そんな場面が訪れるかもしれません。
でも同時に、この配置には「真実を突き止める力」もあります。
言葉を選び、誠実に思いを伝えれば、いつもなら届かない深い部分にまで声が響いていくでしょう。
だからこそ、この満月は私たちに伝えています。
「言葉を恐れず、けれど丁寧に選びなさい」と。
サビアンシンボルが語る物語
今回の満月は、牡羊座15度「毛布を編むインディアン」、太陽は天秤座15度「環状の道」で起こります。
「環状の道」は、毎日の規則正しい生活を通じて成果を育むことを意味します。華やかな舞台の裏側で、黙々と繰り返す努力。特別なことは何もないように見えて、しかし確かに未来を育んでいく日常の力。
そして「毛布を編むインディアン」は、一目ずつ糸を紡ぐように地道な努力を重ねることの尊さを物語っています。
編み物を思い浮かべてください。
一気に仕上げようとすれば、糸はもつれ、集中力は途切れ、間違いに気づいてはほどくことになる。
けれど、少しずつ丁寧に編み続ければ、やがて驚くほど美しい模様が広がり、一枚の毛布が完成します。
それは、あなたの人生そのものでもあります。
壮大な夢も、一歩一歩の積み重ねによってしか形にならないのです。
そして何より大切なのは、「最初のワクワク」です。
「どんなふうに仕上がるんだろう」と胸を弾ませて毛糸を手にした瞬間の気持ち。
その初心のときめきを思い出せば、どんなに長い道のりもきっと続けていけます。
今回の満月から受け取るメッセージ
大きな理想は、小さな日常の学びから育つ 走り続ける衝動に飲み込まれず、本当に必要な挑戦を選ぶ 言葉は感情ではなく誠実さで紡ぐ 規則正しい積み重ねが未来を織りなす
華やかな奇跡を追い求めるよりも、日常の中の「小さな奇跡」に目を向けるときです。
コーヒーを飲みながら本を開く時間、心に浮かんだ言葉をノートに綴る習慣、ほんの数分の瞑想――そうした小さな行為が、やがて大きな変化を生み出していくでしょう。
結びに ― 満月の光に導かれて
夜空に浮かぶ牡羊座の満月は、ただ眩しく輝いているわけではありません。
その光は、あなたの心の奥に眠る「やりたい」「知りたい」「挑戦したい」という純粋な願いを呼び覚まします。
けれど今回は、その願いを一気に燃やし尽くすのではなく、小さな火種を守るようにして続けていくことが大切です。
毎日の中にある小さなワクワクを大切にしてください。
その積み重ねが、あなたを想像以上に素晴らしい未来へと導いてくれるのです。
どうか今夜は、窓の外に浮かぶ満月を見上げてみてください。
その光の下で、自分の心が何にときめくのかを感じてみてください。
そしてもし迷いがあるときは、私の鑑定の中で、あなたが進むべき道を一緒に見つけていきましょう。
この満月は、あなたに「自分の心の声を信じて進め」と優しく囁いています。
その声を、どうか聞き逃さないでください。
伊藤スミレ
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